『育てるデニムエプロン』開発物語
今、大人気のデニムエプロンに新しい選択肢
誰もが一着は持っているデニムのパンツ。
丈夫で長持ちし、使い込んでもそれが味になる。そしてどんなコーディネートにも合わせやすい。
これ、エプロンにも全て当てはまるんです。
デニム生地は作業着をルーツとしています。だからこそ、作業着であるエプロンにおいても、その機能性が最大限生かされる。これが昨今のデニムエプロンの人気の秘密なんです。
今やたくさんのアウトドアブランドやアパレルブランドから発売されているデニムエプロン。素材やディティールにこだわりの詰まったものから雰囲気を楽しめるリーズナブルなものまで百花繚乱ですが、エプロン屋歴20年のココウォークから、新たなデニムエプロンが誕生しました!
その名も「育てるエプロン」!!!
あくまでも自分で『育てる』
現在、市場で流通しているデニムエプロンのほとんどは、製品化時点で洗いをかけてあるUSED加工のものです。この加工のおかげで買った時から味があり、かつデニムの最大のデメリットである移染が軽減されます。しかし、当社のデザイナー(デニムオタク)はある日ふと思ったのです。
『デニムとは自分で育てるものだ』
『なにもかもが便利な世の中で、それに逆行することもありなんじゃなかろうか』
『自分で育ててこそ、本当のオンリーワンになるんだ』
『だからこそ、とことんこだわったものをつくってやる!』
試行錯誤、格闘。
製品化への道。
当社デザイナー(デニムオタク)がまず最初に決めたコンセプトが『育てるエプロン』。しかしその製品化への道のりは苦難に満ちたものでした。本人にその道のりをインタビューしましたが、とても長く暑苦しいので、概要をサクッと記しますので、ここからは各章のタイトルだけ読んでいただき、細かな文章は読み飛ばしてください。
生地選び
まず、『育てる』エプロンに必要な要件は「生デニム」であることでした。洗いやUSED加工が施されていない生の状態のデニムから、自分なりに使用していくことで、市場にはないそのユーザーにとってのオンリーワンなエプロンを作ってもらいたい。だからこそ使用する生地は未加工の生デニムにこだわることに決めました。しかし、一般的な生デニムといえば、あのノリでパリパリの固くゴワゴワした生地です。これではエプロンとして使用するのは困難です。そこで、エプロンにちょうどいい厚さで、かつ耐久性があり、さらには育てる過程を楽しめるデニム生地を探しに探してたどり着いたのが、9.5ozの薄すぎず厚すぎずの程よい肉厚感のあるインディゴデニムとブラックデニムでした。
誰にとっても着やすい型
リーバイスの501が老若男女に愛されるように、『育てるエプロン』も男女問わず着用していただけるものにする!そんな信念のもと、新たに開発したのが今回の形でした。COCOWALKで長年定番として販売している定番の形とは違い、お尻の部分を両サイドの生地で巻かないこと。また、肩紐ではなく首に巻く形にすることで、様々な体形に対応し、着脱が格段に楽になりました。
最大の難関
生地は決まった。形も決まった。しかしこのプロジェクトの最大の難関はここからでした。それはデニム生地の最大のデメリット「移染問題」でした。使うほどに洗うほどに色落ちしていくデニム。商品には必ず洗濯時の注意書きが書かれていて、買ってしばらくは他のものと一緒に洗わないよう注意喚起がなされています。これが生デニムの場合さらに注意が必要で、洗濯しなくとも他の生地との摩擦によっても色移りが生じてしまいます。このままでは、せっかくの育てるエプロンもしばらくは着用してもらえず、何回か自分で洗ってから使用する必要が生じてしまいます。これではただただお客様に不便を強いるだけになってしまうし、例えば白いシャツを料理時の汚れから守るはずのエプロンが、逆に白シャツを汚してしまうという本末転倒なことになってしまう。
当社デザイナー(デニムオタク)に課せられたミッションは困難を極めました。デニムへの愛、エプロンへの愛、その二つのはざまで、デザイナー(デニムオタク)の心は揺れました。たくさんのトライアンドエラーを重ね、不屈の闘志と愛で試行錯誤を重ね、そしてついにたどり着いたのです!(BGMはビートルズのLong&Winding Road)
ミッションコンプリート
最大の難関「移染問題」を解決したのは地道な努力でした。
表には見えないところまで気を配り、お客様には伝わりづらい工夫を重ねました。
洋服と直接触れる部分であるひもの裏に移染を防ぐテープを貼りました。
また、本体生地の端の部分は通常は折り返して処理するためデニムの表面が直接洋服に触れていしまうところを、折り返し面がデニムの裏生地になるようにすることで課題をクリアしました。これらはきっと店頭で手にとっても気づいていただけるものではありません。それによって製造原価が上がっても、お客様に伝わらない限りは販売価格に反映することもできません。それでも大切にしたのは、お客様にとっての利便性と「育てる楽しさ」でした。
正直なところ、洗いが施されているデニムエプロンはすでにココウォークでも販売しています。おかげさまで大人気です。なのにわざわざ作ったこの「育てるエプロン」。無駄な努力なのかもしれません。だけどそれでも、その不便を楽しんでいただける人がきっといるはず。そう信じて開発されたエプロンです。もしよければ、こんな便利な時代だからこそ、ちょっとした不便を楽しんでみませんか?
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