エプロン屋が教えるエプロンの選び方②【素材から考える編】
エプロン屋が教えるエプロンの選び方
もっときちんと暮らしてみたい!
だったらエプロンがおすすめです!
エプロンは気持ちのスウィッチ。
面倒な家事でも疲れた時の料理でも、気持ちを少し前向きにしてくれます。
だけど実際にエプロンを買おうと思っても、いったいどんなエプロンを選んでいいのかわからない。。
そんなあなたのために、エプロン屋歴20年のココウォークが、詳しく解説いたします!
前回の記事はこちら
エプロンの選び方① 【型から考える編】
前回のコラムでは、エプロンの基本的な解説をしました。
大きく分けるとエプロンの形は5つ
- ラップエプロン
- H型エプロン
- バッククロスエプロン
- ギャルソンエプロン
- 割烹着
使う人のライフスタイル、シチュエーション、体型などに合わせてお好みの形を見つけていただけるように解説しました。
そこで好きな形が決まったら、次は素材について考えていきましょう。
素材ごとに機能性や着心地、そして見た目も大きく変わってきます。
ぜひあなたの素敵なエプロンライフの一助になればと思います。
リネンエプロン
エプロンの素材として思い浮かべる人が多いリネン素材。
ナチュラルな雰囲気で女性らしい雰囲気のエプロンがたくさんあります。
ではなぜエプロンの素材にはリネンが多いのか?
リネンエプロンのメリットとデメリット
①汚れに強い
リネン=麻の繊維には天然の抗菌成分である「ペクチン」が含まれています。ペクチンとは糊のような成分で繊維の表面をコーティングするような形で含まれており、汚れが繊維の奥に入るのを防ぎ、洗濯などによって繊維が弱るのを防ぎます。このペクチンの効果で、麻は汚れに強く丈夫と言われているのです。
②吸水性
麻の吸水性は綿のおよそ4倍といわれています。このことから、水仕事に使われることが多いエプロンとの相性もばっちりです。
③速乾性
麻の繊維は毛羽立ちが多いため表面積が大きく、他の自然繊維より速乾性にも優れています。
④抗菌性
①と③の作用により、汚れが付きにくいうえに乾きやすく、カビや雑菌の繁殖を抑えることができ部屋干し臭の抑制にもつながります。
リネン素材のデメリット
一般的にも知られているリネン素材のデメリットは、縮みやすいこととしわになりやすいことですが、ココウォークのリネンエプロンは日本製リネンを使用しているので、ふわっとやわらかく縮みにくいのが特徴です。また、しわは洗濯後に手で数回たたくなどして干せば気にならない状態になります。アイロンをかければきれいですが、繊維に空気をたくさん含む性質を持つリネンの特性を損なうのであまりおすすめしません。また、繊維の毛羽立ちがあるため着心地の面で気になる方も多いかもしれません。
ココウォークのおすすめリネンエプロン
コットンエプロン
リネンエプロンと並んで人気の高いコットンのエプロン。
基本的にはリネンかコットンかのどちらかを選ぶことが多いと思います。
コットンエプロンのメリットとデメリット
①肌ざわり
綿の繊維は先端が丸みをおびているため、他の自然繊維と比較しても着た時に柔らかさを感じることができます。このため肌着などでも使用されることが多いのです。ザラザラ・チクチクといった肌ざわりがほとんどなく、敏感肌や肌の弱い方、アトピーの方、小さなお子様や赤ちゃんなどにおすすめです。
②通気性、吸水性
コットン繊維の中は、空洞になっているため、風通しがよく通気性に優れています。
また、麻には劣りますが吸水性にも優れています。繊維の中の空洞が吸水性の良さにつながっています。
③耐火・耐熱性
これも綿素材の大きな特徴です。化学繊維の場合は熱や火の粉で穴が開いてしまうものも多いですが、コットンは耐熱性が高く穴が開きにくいため、料理などにもぴったりです。
コットン素材のデメリット
麻と比べると乾きにくいのがデメリットではありますが、よほど分厚い記事を使用するのでなければ特に問題ありません。
ココウォークのおすすめコットンエプロン
レーヨン混エプロン
レーヨンはエプロンではあまり使われない素材ですが、ココウォークでは一部のエプロンの素材に採用しています。
滑らかな質感の風合い、ドレープ感が特徴的なレーヨンは女性らしい柔らかな雰囲気を出してくれる素材です。
吸水性にも優れており、枕カバーやシーツなどにもよく使用される素材である一方で、酸性や熱に弱いというデリケートな面もあるためエプロンに使用されることは少ないのですが、後ろ姿や雰囲気にもこだわるココウォークでは、エプロンとしての機能性を損ねない上限50%の範囲でレーヨン混素材を使用しています。
業務用と家庭用エプロンの違い
プロ仕様と家庭用エプロンの大きな違いは素材です。
調理師さんなどの業務用エプロンには、ハードな使用に耐えられるポリエステルが使われていることが多いです。
ポリエステルはバスタオルなどの吸水性と速乾性が求められるものにも使用されますが、実はポリエステル自体には吸水性がありません。ポリエステルの繊維は吸水するのではなく水をはじくため、タオルなどで使用される場合はポリエステルの性質によって水分を掃きとるようなイメージです。業務用エプロンにおいては、ポリエステルの水をはじく性質を生かし、大量の水を浴びても水分をはじいて床に落として汚れを防いでいるのです。一方、家庭用のエプロンでは業務用ほどの水を浴びることはないため、むしろ吸水性のある麻や綿で十分であることから、家庭用エプロンではポリエステルが使われることはあまりありません。
以上エプロンの素材講座でした。
ココウォークでは主に自然素材である綿、麻を使用したエプロンにこだわって製品化しています。
たかがエプロン、されどエプロン。
形も素材も実に様々。そして令和の今なお進化し続けています。
ぜひココウォークで理想のエプロンに出会ってください!